議員である監査委員の除斥
- nara-justice
- 2018年4月4日
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平成30年4月4日
奈良市監査委員 殿
議員である監査委員の除斥申し入れ書
奈良市青山八丁目277
住民監査請求人 厚井弘志
奈良市鹿野園町794-3
住民監査請求人 池見愼一
奈良市鹿野園町355
住民監査請求人 安井喜代司
平成30年3月2日付け、奈良市新斎苑の用地購入に係る住民監査請求において、以下の理由により八尾俊宏、松石聖一両委員を除斥し厳正に監査を行うことを求める。
【理 由】
1.地方自治法第百九十六条によれば、監査委員は地方議会議員から選任することができる。
監査委員が行う監査の対象は通例自治体職員の公金の不適切な管理使用であるが、本件のように政策的判断により行われる事業予算の監査においては監査委員となっている議員が所属する会派の方針に反する監査結果を出すことは常識的に考えて非常に難しい。
八尾俊宏及び松石聖一両委員は奈良市議会平成30年3月議会において、違法と考えられる新斎苑に係る用地取得に関する議案に賛成の意を表した。これは、八尾俊宏議員の属する「自民党」、松石聖一議員の属する「市民の声」の方針に従ったものである。
八尾俊宏及び松石聖一両委員の監査はこの方針に沿うものとなる可能性が極めて高く、地方自治法第百九十八条の三で規定する「監査委員は、その職務を遂行するに当たっては、常に公正不偏の態度を保持して、監査をしなければならない。」が担保できるとは考え難い。
2.特に松石聖一委員は、新斎苑建設地の地元鹿野園町自治会に対し、都市計画決定された4.9ヘクタールに加え当該建設地に隣接する土地購入を勧め、結果として違法と考えられる追加の用地取得を進める原因を作った。
同委員のこれまでの言動を見れば上記地方自治法第百九十八条の三で規定されている通りの「公正不偏の監査」が実施出来るとは到底考え難い。
よって八尾俊宏及び松石聖一両委員の除斥を求めるものである。
3.また、今回の監査請求に際し、職業欄不記載をもって18名の監査請求が却下された。
日本国憲法では、第32条で国民の裁判を受ける権利が保障されており職業によってその権利が左右されるものではなく、訴状に職業を記載する必要はない。
住民訴訟の前段階となる、住民監査請求においても同様であり、監査請求を行う権利が職業によって差異があるわけではなく、職業欄は単なる付記事項に過ぎない。
今回の却下は付記事項未記載のみを理由に、住民の切なる願いを門前払いし、請求権を否定しており明らかに不当である。
我が国の監査委員が行政の執行機関の一つであるのに対し、欧米においては行政とは独立した外部機関で行われ厳正な行政監査が実施できる制度が採用されている。
貴監査委員は行政監査の本来の姿を直視し厳正かつ公正不偏な監査を行うよう切に望む。
以上。
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